Q 就業規則に休憩時間の利用制限を規定したいのですが・・・?

【質問】

 

先日、当社の社員が、休憩時間中にパチンコに興じていることが発覚しました。

 

その社員を呼んで注意したところ、「休憩時間中は、法律で何をしてもいいはずだ。」と反論されてしまいました。

 

インターネットで調べると、確かに、労働基準法では、休憩時間中の自由利用が規定されているようです。

 

しかし、休憩時間中にパチンコに興じるのは、職場の規律上問題があります。

 

就業規則で制限を設けることは可能でしょうか?

 

【回答】

 

職場の規律を保持するために、休憩時間に一定の制限を設けることは可能です。

 

【解説】

 

労働基準法では、「休憩時間は、労働者に自由に利用させなければならない。」と規定されています。(労働基準法第34条)

 

しかし、完全な自由利用を認めてしまうと、ご質問のように、職場の規律保持上において問題が生じる場合もあります。

 

そのため、判例では、職場の規律を保持するために合理的に必要がある場合には、休憩時間の自由利用に一定の制限を設けても差し支えないとしています。

 

ですから、ご質問のように休憩時間中のパチンコの他に、アルコールの飲酒や風俗店への出入りなどの他に宗教の勧誘やビラ配り等の禁止も可能でしょう。

 

 

また、休憩時間中の外出の許可制も、事業場内において自由に休息ができる場合には必ずしも違法とはならないとされています。

 

休憩時間中でも深刻なトラブル等が発生し、対応せざる得ない場合もあり得ますので、その時に連絡を取れるようにするために、休憩時間中の外出を許可制又は届出制にする必要がある場合も考えられます。

 

ただし、このような場合でもあくまで、休憩時間を自由利用にできることが前提となります。

 

 

ところで、休憩時間中に交代で電話当番しているケースがあります。

 

実際に電話がかかってこなかった場合には、業務を行うことなく、休憩を取れた形となります。

 

しかし、実際に業務を行っていなくても、常に業務ができる状態でいる限り、自由利用が保障されていないこととなります。

 

いわゆる、「手待時間」と呼ばれる時間ですが、「手待時間」は、休憩時間ではなく労働時間とみなされますので、注意が必要です。

 

 

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【ここがポイント】

 

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今回お話ししたように、休憩時間の自由利用に一定の制限を設けることは、休憩の目的を損なわなければ差し支えないとされています。

 

しかし、これは法律ではないので、会社の規則として明文化されていなければ、今回のご質問にあるように、社員から言われれば、明確に反論できなくなってしまいます。

 

ですから、無用なトラブルを避けるためにも、もし、休憩時間の利用に一定の制限を設ける場合には、就業規則にその旨を規定しておくことが重要となります。

 

 

経営者にとっては、「休憩時間中であってもパチンコをやらないことは当然。」と思うかもしれませんが、雇用する社員全員が、経営者と同じ想いとは限りません。

 

会社として社員に守ってもらいた行為や反対に禁止したい行為があるならば、1つ1つ就業規則に規定していくことが、労働トラブルを防止し、秩序ある職場環境を維持する基本と言えます。

 

 

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